質疑応答は文章末です
自由報告一覧に戻る


当事者の語りから大学における障害学生支援の在り方を考える ~車椅子の男子学生が理不尽な対応を受けた体験~
瀬戸山陽子(東京医科大学教育IRセンター)


1 はじめに
 日本では、2016年の障害者差別解消法施行などにより、近年障害のある人に対する支援体制の整備が進んできた。高等教育機関が把握している障害学生の在籍者数は2019年に37647人で、10年前から5.3倍に増えている(日本学生支援機構2020)。日本学生支援機構は、障害学生支援に関する基本的な考え方を示しながら障害学生に対する支援事例を蓄積し、各機関が目の前の学生支援に活用できるよう公表してきた(日本学生支援機構2021a)。また東京大学や京都大学のプラットフォーム事業や全国高等教育障害学生支援協議会など、近年、組織を越えて障害学生支援の体制整備のために連携する動きが活発である。
 各大学等の支援者の立場からも、多様な場面や視点から、障害学生支援に関する考察が蓄積されつつある。例えば、小笠原らは発達障害学生の就職・就労支援に際して、困難の所在を明確にした上で、継続的な就労支援のための大学と地域リソースの連携について具体的に論じている(小笠原ほか2017)。また聴覚障害の当事者教員でもある松﨑は、聴覚障害学生に対する合理的配慮における課題について、学生自身が「社会的障害」の存在を認識しづらいことや、合理的配慮を求めるための「意思の表明(弱さの表明)」をしづらい状況にあることを示した(松﨑2019)。さらに発達障害者と周囲の人との関係に着目した横田らは、教員と学生対象にした合計2000人に及ぶ質問紙への回答データから、身体障害と比べて発達障害学生の支援に関しては支援の許容度が変わることを示した(横田ほか2020)。直近では、新型コロナウイルス感染症流行下における障害学生支援部門の対応に関する記録もある(村田ほか2021)。以上のように、各大学や支援者の立場からの障害学生支援に関する研究の蓄積はここ数年で非常に充実し、現場の支援体制が整いつつある事が伺える。
 しかしその一方で、支援を受ける当事者学生の実際の体験(語り)から、障害学生支援の在り方について検討された研究は少ない。いくつか例を挙げると、瀧澤らは、聴覚障害のある当事者学生5名の語りを分析し、学生が「周囲との違い」や「孤独」を感じ、「十分な支援を受けられない」という困難体験などを示している(瀧澤ほか2017)。また、寺田らは聴覚障害学生5名に対してインタビューを行い、英語に特化した教育支援や合理的配慮の調整が行われる必要があることを示している(寺田ほか2019)。このように、いくつか当事者の体験や語りに基づいた研究はあるものの、その数は限られており、当事者の深い語りを紐解いたものは少ない。
 前述の通り障害学生支援の体制は整いつつあるものの、支援がある程度準備されたからこそ、障害学生当事者がそれ以上の要求をしづらくなるという状況が考えられる。また所属大学の教職員が当事者学生に話を聞くことは、支援する側・される側という関係性のために、学生は本音を伝えづらいという限界がある。このような状況を踏まえ本研究では、ひとりの障害学生当事者の自由な語りから、大学における支援・配慮提供の課題を示し、今後について検討することを目的とする。

2 研究方法
2.1 本研究の位置づけ
 日本には、当事者の語りを映像と音声で収集しウェブ上に公開するDIPEx(Database of Individual Patient Experiences・ディペックス)という取り組みがあり、2021年1月に「障害学生の語り」という、障害のある学生33名の体験談が視聴出来るウェブページが公開された(健康と病いの語りディペックス・ジャパン2021)。DIPExは2001年にイギリスのオックスフォード大学で始まったNarrative Based Medicineに基づいた当事者の語りを社会に活かす取り組み(Ziebland et al.2021)で、日本では2009年に最初のウェブページである「乳がんの語り」が公開されている。
DIPExのインタビューデータは、似たような体験を持つ当事者や支援者に活用してもらうために、一部をウェブサイト上に公開する。同時に、未公開部分も含めたインタビューデータは、教育や研究等に2次利用するデータ利用の仕組みがある(佐藤2008)。本研究は、「障害学生の語り」ウェブページで公開することを一義的な目的として収集したインタビューデータについて、未公開分も含めて2次分析を行ったものである。

2.2 研究協力者
 研究協力者は、脳性麻痺による肢体障害で電動車椅子を使用する男子学生Aさんである。「障害学生の語り」のプロジェクトに際して、研究者の機縁より紹介を受けた。Aさんは、九州地方在住の20代の社会福祉専攻の学生で、インタビュー時は大学に在学中であった。

2.3 データ収集方法
 研究者は、紹介を受けた後Aさんにインタビューの依頼を改めて行い、承諾されたのちに日程調整を行った。インタビュー実施日は2019年7月であり、場所はAさんの自宅だった。
 インタビューは非構造化面接と半構造化面接の手法を組み合わせて行った。最初に大学生活に関して話したいことを自由に話してもらい、その後に補足的な質問を行った。インタビュー時間全体は197分であり、承諾を得て映像と音声で記録を行った。

2.4 データ分析方法
 インタビューデータから逐語録を作成し、一度Aさんに全文を送って保存したくない箇所を削除してもらう作業を経た。その後確定したインタビューデータを繰り返し読み、文章の意味が取れる単位で抽出し、何について話をしているのか、データに【名称】をつけた。今回は、Aさんが学生生活で受けた支援・合理的配慮やそれに対する思いに着目して分析を行った。

2.5 倫理的配慮
 Aさんには、一次目的であるウェブサイトへの公開及び、その後のデータ活用に関して、口頭および文書にて説明を行い、同意を得た。研究参加は自由意志であり、話したくない内容は話す必要がないことを伝えている。本研究実施に当たっては、東京医科大学医学倫理委員会の承認を得た(承認番号2018-089)。

3 結果
 Aさんの語りからは、自身が大学時代に受けた支援に関する語りとして、「大学の支援体制」、「本人の行動や思い」、「大学への思い」の3つのテーマが見いだされた。これらのテーマに沿って、Aさんの語りを「 」内に記述する。また意味のあるまとまりに対してつけた名称は、【 】で示した。

 前提として、Aさんは、高校は特別支援学校に通っており、日常生活において居宅支援サービスを利用していた。福祉制度のことが分からないと、その時点で60代と50代の両親がいなくなった後に「いついなくなるかも分からないから、親もそういう年齢ですから、もうそれを考えたときに、ふと考えたときにどうしよう」と思い、福祉制度を知る必要があると大学進学を決め、専攻を社会福祉系にしたと語っている。また進学先の大学選びについては、「同じような車椅子の先輩っていうか、その先輩は小さい頃から一緒にリハビリであったりとかを一緒にしてた先輩とかだったりもしたので、あとは私、障害者スポーツのボッチャっていうのをやってた時期があり、それに関わってた人たちがもう(その大学に)先に入られて、先輩としている状況がもう完全にほぼ整っているっていう環境だったので」と語っている。

3.1 大学の支援体制
【入学前に配慮に関する具体的な話し合いはなかった】
 入学後の具体的な合理的配慮の内容に関して、Aさんは、「(入学前は)代筆サポーターっていう制度もあるので、みたいな話だけはされたんですけど、(具体的に)どうしようかっていう話は全くもってしないで、なんか頑張ってねみたいな感じで、もうたいした話し合いもせずに…、入学当日まで来たと思います。」と語った。

【代筆サポートは他学生が行う有償ボランティアの制度だった】
 肢体障害などの学生が使う代筆サポートに関して、Aさんは、「他学科であったり、おんなじ学科・専攻のその時間、空いてるよっていう学生さんがいて。学生支援室っていう部署があったんですけど、(障害学生である)私たちから『前期の授業はこんな感じです。こことここに付けてください』っていう依頼を送るんですね。それで(学生支援室が、他の学生に)呼び掛けをして、空いてるよっていう学生からのメールに反応をして、『私付きます』、『私できます』みたいな感じで。」と説明していた。

【代筆サポート制度は、不安定だった】
 Aさんは授業の代筆サポートの制度について、「有償ボランティアっていう感じらしいんですけども、不定期になってしまうんですよね。必ずしも付いてもらえるっていう保証がなくて」と語った。

【2年生の時に代筆サポートの方針が変わった】
 Aさんは、代筆サポートの方針が在学中に変化したことについて、「1年生入学当時のスタッフさんから、2年生のときに代替わりをされて、方針ががらりと変わっちゃって。(肢体障害のある)私たちの場合、一つのことに書くのって大体、健常の人たちと比べるとだいぶ時間がかかってしまって、全然授業の内容が頭に入らなかったっていうことがあったんですけど、(部署からは、)自分で書いてとか、(自分で)どうにかしないとみたいな変な方向に走っちゃって、(自分でなんとかするのが)自立っていう感じでとなえられてしまって」と語った。また、「2年生からほんとに不定期になったり、もう全くいない授業とかもありました。かなり不安定で、私たち当事者のニーズにかなった制度かっていうと、そうじゃなかったですね。」とも話した。

【職員が、代筆サポートの必要性を判断するところがあった】
 そもそも不安定な支援であった代筆サポート制度だが、Aさんは、加えて、「どうなんだろうって思うんですけど、その部署の職員が必要であるか、必要でないかを勝手に判断をして、こっちが求めているにもかかわらず、これ要らないでしょっていう、『カリキュラム調べてみたけど、こんな内容だったら要らなくねえ?』とか勝手に判断をして付けてもらえなかった」という体験を語った。

3.2 本人の行動や思い
【代筆サポーターがつかない場合は周囲に依頼した】
 Aさんは代筆サポートがつかない時の対処について、「これもその部署からはあんまりするなって言われてた手法なんですけど、寝ている学生とか、自分の周辺で声を掛けられそうな学生を探して、で、仲のいいやつだったら、ちょっと来てもらって、眠気覚ましにちょっと書くの手伝ってくれないかとか、そういう学生がいないときは後で仲のいい同期生のノートを貸してもらってコピーとか。」と語った。また周囲の学生から、「代筆サポーターに登録をしている学生さんでも、『これはさすがに、私もちょっとどうなんだろうって思うから』、『お金をもらうことにはなってるけど、出勤簿には書かないでいい』、『部署にも一切言わなくていいから、私このとき、入るよ』って言って」、「もう好意で入ってもらう(くれた)みたいなこともありますね」と語った。

【周囲に依頼すると、大学から怒られた】
 Aさんは、代筆サポーターがつかない時、「あんまりするなっていうか、しないでくれ(って言われたんですが、)代筆サポーターがいないときも、私なんかは代筆サポーターに登録をしている学生や仲のいい先輩であったりとか、LINEでこの日、この時間、この何時何分どこどこって(伝えて、来てもらっていたんですけど)、それを完全にしちゃいけないっていうふうに言われてしまってて…。」と語った。また「私もその学生さんも、私が一番怒られるんですけど、30分ぐらい怒られるときがあって」と語った。

【人に頼む時は怖かった】
 Aさんは、友人たちに支援を頼む時の思いについて、「もう怖いですよ、正直。恐怖心でいっぱいで、毎日この心が壊れそうになりながら、思い切ってお願いします、お願いしますって、人の顔色も、もう対人恐怖症が付いちゃってたもんで、もう人の顔色、気にしながらも、びくびくしながら、もうお願いします、お願いしますって言い続けて」と語った。

3.3 大学に対する思い
【周囲に頼むことも自立と考える】
 Aさんは、代筆サポーターがつかないことについて、「私たちから言っちゃえば、あなたたち(支援部署)の『自立』って、健常者の考える『自立』って、全部やることっていうふうになっているかもしれないけども、私たちの当事者目線からいうと、頼むことも自立だと考えるんですね」と語った。

4 考察
 一連の語りから、Aさんは、必要な支援・配慮にまつわる理不尽な体験をしていたことが分かる。Aさんの入学前に既に当該大学には「車椅子の先輩」が在籍しており、それはAさんにとっては安心材料だっただろう。また「代筆サポーターっていう制度もあるので、みたいな話」はしていたことから、少なくとも大学は、障害学生に対して合理的配慮の提供を行う姿勢があることが伺える。しかし部署の方針が変わって以降は、「どうにかしないとみたいな変な方向」に進んでいっている。
 障害学生支援は個別に調整するもので密室的になりがちで、パワーバランスからも、一学生が大学に対して不服申し立てを行うことはハードルが高い。日本学生支援機構は、「大学等と学生等とが対立した状況」である「紛争」について大学対象に調査を行い公開している(日本学生支援機構2021b)。また、文科省も、「大学等は、本人からの不服申し立てを受理し、紛争解決のために調整を行う学内組織を整備することが望ましい」(文部科学省2017)としている。しかし、Aさんのような例は明るみに出にくいことが想像に難くない。
 またAさんは、「当事者目線からいうと、頼むことも自立」だと言っている。この考え方は、当事者研究を行う熊谷の「自立とは、依存先を増やすこと」という言い方にも通じる(東京都人権啓発センター2012)。しかし大学側は、「(自分で)どうにかしないとみたいな変な方向」に行っており、一昔前の価値観が横行していた可能性がある。
 さらに、Aさんは友人に支援を依頼している。本来大学の支援不足や対応のひどさに、やむにやまれず友人が手伝うという状態はあってはならないが、仮に大学からの支援が十分にあったとしても、共に学ぶ者同士が助け合うことはごく自然の営みであり、それを大学側が阻む理由はない。ハード面や支援制度が整いすぎると周囲の友人が日常の中で障害学生を自然に手助けする機会が減るという現象もあり、制度の不備が、周囲の友人のやむにやまれぬ手助けを生み出していた。
 今後の障害学生支援に関しては、国の方針や、大学・教職員側からの見解のみならず、体験者の深い語りから、支援や配慮提供の在り方、その後のモニタリングについて検討する必要がある。また当事者が、その後の学生生活を脅かされずに不服申し立てできる仕組みの整備が求められる。

5 おわりに
 車椅子を使用する一人の障害学生の語りから、支援の在り方を検討した。車椅子の学生が既にいた大学にもかかわらず、語った学生は必要な支援を受けられず、理不尽な体験をしていた。当事者の語りに耳を傾ける重要性が示されたとともに、当事者が自由に不服申し立てが出来る仕組み作りが求められる。

文献:
井出沙織,向晃佑,小田浩伸,2021,発達障がい学生支援における「大学生活支援カード」を用いた早期支援の効果性 : 支援学生へのインタビュー調査から見た一考察. 大阪大谷大学教育学部特別支援教育実践研究センター紀要, 5, 27-35.
健康と病いの語りディペックス・ジャパン,2021, 「障害学生の語り」ウェブページ. <2021年8月16日アクセス> https://www.dipex-j.org/shougai/
熊谷晋一郎. (2020). 当事者研究の誕生. In 当事者研究 等身大の<わたし> の発見と回復 (pp. 19). 岩波書店.
松﨑,丈,2019, 聴覚障害学生支援における合理的配慮をめぐる実践的課題. 宮城教育大学紀要, 53, 255-266.
文部科学省,2017, 障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告書(第二次まとめ). <2021年8月16日アクセス> https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/074/gaiyou/1384405.htm
村田淳,辻井美帆,嶌田裕子,宮谷祐史,松原夢伽,2021,コロナ禍における障害学生支援専門部署の対応について -京都大学学生総合支援センター障害学生支援ルームの実践-. 京都大学学生総合支援センター紀要, 50(47-55).
日本学生支援機構,2020, 障害のある学生の修学支援に関する実態調査. <2021年8月16日アクセス> https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_shogai_syugaku/index.html
日本学生支援機構,2021a, 障害のある学生への支援・配慮事例. <2021年8月16日アクセス> https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_shogai_hairyo_jirei/index.html
日本学生支援機構,2021b, 障害学生に関する紛争の防止・解決等事例集. <2021年8月16日アクセス> https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_shogai_kaiketsu/index.html
小笠原哲史,村山光子,2017,大学における発達障害学生の就労支援に関する課題と今後の展開. 明星大学発達支援研究センター紀要, 2, 53-61.
佐藤(佐久間)りか,2008, 「患者体験」を映像と音声で伝える ~「健康と病いの語り」データベース(DIPEx)の 理念と実践 情報管理, 51(5), 307-320.
瀧澤颯大,久藏孝幸,2017, 聴覚障害学生が体験する困難場面とその対処方法に関する研究―聴覚障害学生の語りから―. 日本心理学会大会発表論文集第81回大会, 1D-033.
寺田理紗,岩田吉生,2019, 聴覚障害学生の英語講義のリスニングにおける配慮の実態とその課題に関する研究 ―愛知教育大学の聴覚障害学生を対象として―. 障害者教育・福祉学研究, 15, 73-78.
東京都人権啓発センター,2012, TOKYO人権第56号インタビュー 「自立は、依存先を増やすこと 希望は、絶望を分かち合うこと」 <2021年8月16日アクセス> https://www.tokyo-jinken.or.jp/publication/tj_56_interview.html
横田晋務,松﨑泰,田中真理,2020, 大学教員および学生における自閉スペクトラム症学生への支援に対する意識 ―身体障害学生への支援に対する意識との比較から―. 特殊教育学研究, 57(4,5), 233-245.
Ziebland, S., G rob, R., & Schlesinger, M,2021, Polyphonic perspectives on health and care: Reflections from two decades of the DIPEx project. Journal of Health Services Research & Policy, 26(2), 133-140.


■質疑応答
※報告掲載次第、9月25日まで、本報告に対する質疑応答をここで行ないます。質問・意見ある人は2021jsds@gmail.comまでメールしてください。

①どの報告に対する質問か。
②氏名。所属等をここに記す場合はそちらも。
を記載してください。

報告者に知らせます→報告者は応答してください。いただいたものをここに貼りつけていきます(ただしハラスメントに相当すると判断される意見や質問は掲載しないことがあります)。
※質疑は基本障害学会の会員によるものとします。学会入会手続き中の人は可能です。

〈2021.9.25 会員から〉
宇都宮大学 土橋喜人
 私が所属する大学でも車いすの学生がいます。この学生ほどの理不尽な対応はないですが、知識や経験がないために、教職員の対応がむずかしく、結局はご家族にしわ寄せがいっているように見えます。
 本研究では以下のようなかなり厳しい結論となっていますが、建設的な対話を築き上げるための制度や相談体制など、あるいは市町村の行政の支援などは、どうなっていましたでしょうか?

「5 おわりに
 車椅子を使用する一人の障害学生の語りから、支援の在り方を検討した。車椅子の学生が既にいた大学にもかかわらず、語った学生は必要な支援を受けられず、理不尽な体験をしていた。当事者の語りに耳を傾ける重要性が示されたとともに、当事者が自由に不服申し立てが出来る仕組み作りが求められる。」

〈2021.9.25 報告者から〉
 瀬戸山です。このたびは、ご質問をどうもありがとうございました。
 私自身もこの方から話を伺ったときに、相談窓口へ行くことはなかったのか、他の支援を活用する道はなかったのかということを伺いました。
 しかし、今回の結果には含められていないのですが、この学生さんはとにかく4年間で卒業することを親御さんとの約束にしていたこともあり、代筆サポートがつかない状態で日々の授業をこなすのに精一杯で、他の支援策を探す余裕がなかったことを話をされています。また同じ理由で、たとえば他の学外の当事者とつながる術も持てなかったと仰っていました。
 市町村の行政支援については伺えていないのですが、重度の障害を持つ学生にとって、学ぶための環境を整える調整そのものに非常に労力が必要で、もちろんそういうことには慣れておらず、課題があってもそこまでたどり着かないことがあることを感じております。
 なまじ代筆サポートの仕組みがあり支援体制があるとされる大学で起きている出来事で、その難しさを感じておりますし、大学同士の監視などは全く良い結果を生まないように思っております。ただ、やはりこういう学生さんが生まれないように、中立的な外部に、学生が自由にものを言える場が必要なのではないかと思っている次第です。
 どうしたら良かったのか…もしお考えやご意見がありましたら、お伺いできましたら幸いです。コメントをどうもありがとうございました。


自由報告一覧に戻る